実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

人生に関する名言等

【人はいかに生きるべきか 240】

「人は常に自分の目によって他人を見ている。・・・つまり,その他人がそうなのではなく,その他人をそう見る自分の目がそうなのだ。他人とは,すなわち自分なのだ。」(『私とは何か』,池田晶子,講談社) ◯あなたが見ている世界(他者)は,あるがままの…

【人はいかに生きるべきか 239】

「上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し(水は万物に恵みをあたえるが,形も変えてあらゆるものに柔軟に応じ,他人と争うことはなく,目立たない低いところで満足して謙虚である)(老子)」(『もういちど読む 山川倫理』,小寺聡編,山川出版社) ◯他者と…

【人はいかに生きるべきか 238】

「いかなるものにも抵抗できるけれど,善良さに対しては抵抗できない。(ルソー)」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯「正直の頭(こうべ)に神(かみ)宿る」と言うが,正直で素直な人には,必ず神様の助けがある。(201…

【人はいかに生きるべきか 237】

「勝ち負けというはの,命のあるなしのほかには何もない。」(『一刀斎夢録』,浅田次郎,文藝春秋) ◯生きている,ということにこそ価値がある。生きている人間同士に勝ち負けなどというものはない。(2019年12月13日) 【幸せであるための方法】 -…

【人はいかに生きるべきか 236】

「事実と真実とは,ある場合には別のものです。」(『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』,村上春樹,文藝春秋) ◯私たちの心は,(客観的な)事実の世界ではなく,(主観的な)真実の世界に生きている。人間の心を尊重するのであれば,客観的事実以上…

【人はいかに生きるべきか 235】

「困ったときには,自分の膝(ひざ)とだって相談しろ」(「菅原伝授手習鑑」(『日本文学全集10』所収),三浦しおん訳,河出書房新書) ◯自分の悩みを言葉にして表現することの大切さ。その表現が的確なものであれば,表現できた時点で大方の悩みは解消…

【人はいかに生きるべきか 234】

「新聞に出ていることで自分に関することはたいてい嘘が書いてある。それだのに,人の事が出ていると誰でもそれを信じる。そういうところに近代人の欠陥がある。」(『人生論ノート』,三木清,新潮社) ◯目にした情報,耳にした情報を鵜呑(うの)みにして…

【人はいかに生きるべきか 233】

「怪我というものは,もう安心だと思う所になって,必ず起こすものでございます」(『徒然草』,島内裕子訳,筑摩書房) ◯油断大敵と言うが,実際,私たちは,油断している時にはたいてい失敗する。安心しすぎてはいけないし,何事も自信を持ちすぎてはいけ…

【人はいかに生きるべきか 232】

「言葉というものは,歴史が語る通り,本来魔術として誕生したものだ。今日でも,その魔力は少しも衰えてはいない。言葉で人を有頂天にさせたり,絶望に陥れたり,誰もがやっている事ではないか。」(「正宗白鳥の作について」(『小林秀雄全集 別巻Ⅰ』所収…

【人はいかに生きるべきか 231】

「他人がどんなに私のことを非難しても,少しも苦しくはない。逆に,私のことを褒めてくれても,そんな言葉を聞く耳は持たない。」(『徒然草』,島内裕子訳,筑摩書房) ◯他者からの評価に振り回されることなく,自分の信念に基づいて,自分が本当に納得す…

【人はいかに生きるべきか 230】

「歴史というものは,見れば見るほど動かし難い形と映って来るばかりであった。新しい解釈なぞでびくともするものではない,そんなものにしてやられる様な脆弱(ぜいじゃく)なものではない」(「無常という事」(『小林秀雄全作品 14』所収),新潮社) ◯…

【人はいかに生きるべきか 229】

「聞いて不愉快,見て不愉快なことは,たとえば,老人が若い人たちに交じって,皆を面白がらせようと,いつまでもしゃべり続けていること。」(『徒然草』,島内裕子訳,筑摩書房) ◯自分自身が老人になると,こういうことが分からなくなってしまうのは,な…

【人はいかに生きるべきか 228】

「尋常な家庭の出来事の一つ一つが,いかにも確実に経験され,熟知され,常に反復されて新鮮な意味を生じ,積み重なって深い情緒を生む。」(「バッハ」(『小林秀雄全作品 14』所収),新潮社) ◯空疎な刺激に満ちた人生を上の空で生きるのではなく,地に…

【人はいかに生きるべきか 227】

「何事も,珍しいことを求めたり,通説に対して異説を唱えることを好むのは,浅はかな無教養な人が,必ずすることである」(『徒然草』,島内裕子訳,筑摩書房) ◯人生の真理は,すでに全て言い尽くされているのかもしれない。まずは常識に秘められた意味を…

【人はいかに生きるべきか 226】

「出家して功を積んだ者は下の者の身になり,智者は愚者の身になり,富者は貧者の身になり,能あるものは無能の者の身になるべし。」(『徒然草(日本文学全集07所収)』,内田樹訳,河出書房新社) ◯恵まれている人は,感謝の気持ちを忘れることなく,ま…

【人はいかに生きるべきか 225】

「弱よく強に勝ち,柔(じゅう)よく剛(ごう)に勝つ。天下にこれを知らざる者なきも,これを行う者なし。(『老子』)」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯何事も,単に知っているだけでは意味がない。腹の底から納得し,我…

【人はいかに生きるべきか 224】

「けっしてくずおれてはいけない。くずおれたあなたへの同情は,死者への弔慰金と同じく,あなたの身につきません。それだけでなく,まだ戦っている,あなたの仲間,あなた自身は知らないかもしれない仲間を深く傷つけ,挫折に誘い込むものです。」(『日本…

【人はいかに生きるべきか 223】

「ただ待つことが息つく間もない多忙さと同等の重要さを持つ」(『日本の医者』,中井久夫,日本評論社) ◯ただ待つ,ということの重要さが分からず,私たちはとかく多忙であることを自慢したがり,つまらないことをしては問題をこじらせてしまう。(201…

【人はいかに生きるべきか 222】

「人間の善徳は,その人の異常な努力によってではなく,毎日の行状によって計られる。(パスカル)」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯人間の値打ちは,特別な(一時的な)達成によって計られるべきものではなく,普段の(不…

【人はいかに生きるべきか 221】

「悪人は人を害する以前に自分自身を害するものである。(アウグスチヌス)(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯他者を大切にできない人は,そもそも自分を大切にすることができない人である。自分を粗末に扱っているからこそ,…

【人はいかに生きるべきか 220】

「・・・悪しき行為を招いた悪しき感情は,必ずその人の心に疵痕(きずあと)を残し,何らかの形で彼を苦しめるであろう。」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯他人の目を盗んで悪事を働くことは可能であるが,悪事を働けば,…

【人はいかに生きるべきか 219】

「あなたたちが人々からして欲(ほ)しいと思うことはすべて,そのようにあなたたちも彼らにせよ。」(『新約聖書』,新約聖書翻訳委員会訳,岩波書店) ◯「己の欲せざるところは人に施すことなかれ。」という言葉もある。道徳の基本は,このように極めてシ…

【人はいかに生きるべきか 218】

「なぜあなたは,自分の兄弟の目にあるちり屑(くず)を見て,自分の目にある梁(はり)には気がつかないのか。」(『新約聖書』,新約聖書翻訳委員会訳,岩波書店) ◯他人のお節介をやく暇があるのなら,まずは自分の頭の蠅(はえ)を追うことに専念すべき…

【人はいかに生きるべきか 217】

「たといためになることを数多く語るにしても,それを実行しないならば,その人は怠っているのである。」(『原始仏典を読む』,中村元,岩波書店) ◯信頼に値するのは,言行が一致している人である。(2019年11月21日) 【幸せであるための方法】 -…

【人はいかに生きるべきか 216】

「他人が怒ったのを知って,それについて自(みずか)ら静かにしているならば,自分をも他人をも大きな危険から守ることになる。/・・・/愚者は,荒々しいことばを語りながら,「自分が勝っているのだ」と考える。しかし謗(そし)りを忍ぶ人にこそ,常に…

【人はいかに生きるべきか 215】

「きわめて豊かな学殖を持って自己満足に陥っているよりも,健全な常識を少し持って謙虚な気持ちでいるほうがよい。(トーマス・ア・ケンピス)」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯学問をすることで慢心するくらいなら,学問…

【人はいかに生きるべきか 214】

「愛読書を持っていて,これを溺読(できどく)するという事は,なかなか馬鹿にならない事で,広く浅く読書して得られないものが,深く狭い読書から得られるというのが,通則なのであります。」(「現代の学生層」(『小林秀雄全作品 7』所収),新潮社) ◯…

【人はいかに生きるべきか 213】

「人は己(おの)れに克(か)つや否(いな)や,他を非難しなくなるものである。」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房) ◯他者に対する非難は,言わば負け犬の遠吠(とおぼ)えである。(2019年11月17日) 【幸せであるた…

【人はいかに生きるべきか 212】

「ひとのこころの湖水(こすい)/その深浅に /立ちどまり耳澄(す)ます/ということがない」(「聴(き)く力」(『おんなのことば』所収),茨城のり子,童話屋) ◯私たちは,立ち止まってこころの声に耳を澄ますことの大切さを忘れがちである。(201…

【人はいかに生きるべきか 211】

「口論を慎(つつし)むがよい。口論は説得するための最も不利な条件である。意見というものは釘(くぎ)のようなもので,叩(たた)けば叩くほど深く刺さって抜けなくなる。(ユヴェナリュース)」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩…