「今の世の中では欲求をすぐに満たすことができるし，またそうすべきだと奨励されている。」（『７つの習慣』，スティーブン・Ｒ・コヴィー，ジェームス・J・スキナー&川西茂訳，キングベアー出版）
○人間の欲望には限りがありませんので，放置すれば，どこまでも肥大化していきます。欲望の肥大化を歓迎し，奨励し，そそのかすような社会にあっては，なおさらです。しかし，欲望の肥大化を抑えない限り，たとえどれだけ多くの物（必要以上の物まで）を手に入れたところで，私たちの心が満ち足りるということはありません。実際，私たちが暮らしている社会は人類史上最も豊かな社会と言えますが，私たちは，このような豊かな社会で暮らしながら，自分の人生に満足し，感謝するどころか，不平不満ばかりを募らせてしまいがちです。そして，挙げ句の果てには，自分は不幸であるなどと思い込んでしまいがちです。常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送りたいと望むのであれば，社会の風潮に逆らってでも，自分の欲望に自分の意志でブレーキを掛けられるようになる必要があるのではないでしょうか。自分の欲望に自分の意志でブレーキを掛けられるようになれば，たとえ必要最小限の物しか持っていなかったとしても自分の人生に満足することが可能になりますし，このような豊かな社会で暮らせることの有り難さに気づくこともでき，自分は不幸であるなどと思い込んでしまうようなことも，きっとなくなるはずです。（４）（６）関連
