「私たちはふだんの生活の中で,とかく不平を言いがちである。実際,さまざまなことに不満を抱き,愚痴をこぼし,小言を言う人があまりにも多いのが現状だ。」,「事あるごとに不平を言っていると,いずれそういう姿勢が染みつき,四六時中,文句や悪口ばかり並べる厄介な性格になりかねない。」(『感謝の習慣』,スコット・アラン,弓場隆訳,ディスカヴァー・トゥエンティワン)
○私たちが暮らしている社会は,人類史上最も豊かで安全で便利な社会と言えます。にもかかわらず,私たちは,そのような社会で暮らせることに感謝するどころか,不平不満ばかりを募らせてしまいがちです。そして,挙げ句の果てには,不平不満ばかりを募らせるがままに,自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまいがちです。しかし,免疫という人体の精妙な仕組みや働き一つを取っても分かるように,生きているということは一つの奇跡であり,私たちは本来,生きているというだけですでに十分に幸せなのではないでしょうか。私たちは,不平不満ばかりを募らせてしまうのではなく,むしろ,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さ(このような豊かで安全で便利な社会で暮らせることの有り難さも含め。)に常に深く思いを致し,心から感謝すべきなのではないでしょうか。感謝する気持ちを忘れ,常に不満を抱えながら一生を送るのと,感謝する気持ちを忘れることなく,常に満ち足りた気持ちで一生を送るのとでは,どちらが幸せな一生と言えるでしょうか。不幸な一生を送り,たった一度きりの人生に大きな悔いを残さないようにするためにも,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに対する感謝の気持ちを,決して忘れないようにしたいものです。(1)(2)(4)(6)(7)関連