「メリット（知能＋努力）のみで評価される社会が，メリットを持たない多くのひとたちを絶望させる」（『無理ゲー社会』，橘玲，小学館）
○社会的な成功を収め，財産や地位や権力や名声などを手に入れることができるのは，知能も含め，何らかの才能や幸運に恵まれているごく一握りの人間です。したがって，財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないのだとしたら，ほとんどの人間は幸せになれないということになってしまいます。しかし，それらを手に入れなければ幸せになれないというのは，果たして本当でしょうか。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し，心から感謝する身に付けるなどして，生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら，私たちはきっと，それらを手に入れなくても，幸せになり，幸せであり続けることが可能なはずです。そもそも，生きているということが一つの奇跡である以上（この世の中にこれ以上の奇跡があるでしょうか。），人間は生きているというだけで十分に価値があるのであり，特別な才能があろうがなかろうが，人間としての価値に変わりはありません。誰もがその価値を尊重されるような社会を実現するためにも，財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないという迷信（間違った思い込み）から，早く目を覚ましたいものです。（１）（４）（６）（７）（９）（10）（14）（20）関連
