「日常のもっとも卑近ないとなみのうちにも,これを超える無限の意味を感じて,つきぬ興味を抱きつつ日を送る。こういう生きかたをするひとはふつう目だたないが,世のなかのあちこちで縁の下の力もちをつとめている。」(『生きがいについて 神谷美恵子コレクション』,みすず書房)
○社会的(世俗的)な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどと勘違いしている人もいますが,本当の幸せは,普通の平凡な人生に生きる喜びや幸せを無限に見いだせるようになることの中にこそあるのではないでしょうか(人生の至る所に埋もれている「小さな幸せ」は,日常生活に深く根差していることもあり,決して色褪(いろあ)せるということがありませんが,社会的成功などの「大きな幸せ」は,意外に底が浅く,すぐに色褪せてしまいやすいものです。)。実際,本当に幸せな人生を送っている人は,表舞台において派手に脚光を浴びているような人たちの中には意外に少なく,むしろ,舞台裏において人知れず黙々と(しかも楽しみながら)努力しているような「縁の下の力持ち」たちの中にこそ多いような気がします。くれぐれも,社会的な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどといったデマを鵜呑(うの)みにしたり,そのようなデマに踊らされたりしないようにしたいものです。(1)(2)(4)(6)(7)(8)(10)(14)(20)関連