自分がすでに十分に幸せであることに気付き,感謝する気持ちを忘れさえしなければ,わざわざ「山のあなたの空遠く」に「幸い」を探しに行ったり,「青い鳥」を探し求めたりしなくても,あるいは,他者が羨むような社会的(世俗的)成功を収めなくても,誰でも幸せになり,幸せであり続けることができるはずです。むしろ,他者と競い合って社会的な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどといったデマに基づく間違った思い込みこそが,財産などに対する執着を生じさせ,私たちの心の目を曇らせるととももに私たちの心の平安を乱し,ひいては,私たちを,不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に追い込み,私たちが幸せになること(自分がすでに十分に幸せであることに気付くこと)を難しくさせているのではないでしょうか。