「他人のせいにするのは大人ではない・・・他人の非を大声で論じても,本当の意味では自分の得にならない。」,「本当の大人なら,物事を他人のせいにはしない。己の至らなさを恥じるだけである。自分の具合が悪いのは,不徳のいたすところに決まっている。」(『ぼちぼち結論』,養老孟司,中央公論新社)
○私たちは,物事が自分の思い通りにならないと,それを他者のせいにしては,他者を恨んだり,責め立てたりしてしまいがちです。しかし,他者をいくら責め立てたところで,他者が自分の思い通りになるはずもなく,状況の好転はほとんど望めません。むしろ,他者との関係がこじれ,他者から疎んじられて孤立するなどして,状況はますます悪化する可能性が高くなります。そもそも,人生はままならないものなのですから,物事が自分の思い通りにならないからといって不平不満を募らせることが間違っていると思いますが,状況を多少なりとも好転したいと望むのであれば,物事がうまくいかない原因や責任は自分にある(少なくとも,自分にもある)と考えを改め,自分(自分の考え方や生き方や心の持ち方など)を変えることにこそ,あるいは,自分にできることや自分がやるべきことに最善を尽くすことにこそ関心を払い,力を注ぐべきであると思います。(2021年6月28日)(3)(4)(6)(15)関連