「戦いで幾千の人々に打ち勝つよりは,一人の自己に打ち勝つものこそ最上の勝利者である。」(『原始仏典』,中村元,筑摩書房)
○他者を敵と見なして競い合い,他者との勝負に勝ったところで,得られるものなど高が知れています。そもそも,私たちは他者の支えや助けがなければ生きていられないのであり,私たちと他者は持ちつ持たれつの相互依存関係にあるわけですから,本来は勝ちも負けもないはです。むしろ,自分の欲望に打ち克ち,財産や地位や権力や名声などに対する執着から解放されることによって,他者と仲良く助け合い,幸せを分かち合えるようになることこそが,真の勝者のあるべき姿と言えるのではないでしょうか。他者が羨むような社会的成功(財産や地位や権力や名声など)を手に入れなければ幸せにはなれないなどという迷信から,早く目を覚ましたいものです。(2021年6月27日)(1)(4)(6)(11)(14)関連