「人は全く意味のない勝利を手にすることがよくある。成功だと思っていたことを達成したにもかかわらず,それよりもはるかに大事なことを犠牲にしてしまったことを,突然に思い知らされる。・・・名声,業績,お金などは,あなたが本当に考えている成功と何ら関係がないかもしれない。」(『7つの習慣』,スティーブン・R・コヴィー,ジェームス・スキナー&川西茂訳,キングベアー出版)
○私たちは,社会的な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれない(それらを手に入れれば幸せになれる)と思いがちですが,それは真実でしょうか。実際には,財産や地位や権力や名声などを手に入れても幸せになれるとは限りませんし,それらを手に入れなくても幸せになれる可能性は十分にあります。むしろ,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せに慣れないという勘違いこそが,それらに対する執着を生じさせ,心の目を曇らせ,心の平安を奪い,ひいては,私たちを不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に追い込み,私たちが幸せになることを難しくさせているのではないでしょうか。財産や地位や権力や名声などに対する執着を捨てさえすれば,自分の人生に幸せを感じることはもっと簡単になるでしょうし,自分が本当にやりたいと思える好きなことに打ち込みながらを,また,他者と仲良く助け合いながら,より人間らしく実り多い人生を送ることが可能になります。何かを得るということは,何かを失うということでもあります。自分は何を得るために何を失おうとしているのか(何を犠牲にしようとしているのか),という自覚を常に持ち,くれぐれも優先順位を間違わないようにしたいものです。(2021年3月7日)(1)(2)(4)(6)(10)(11)(13)(14)(20)関連