「・・・幸福は,ある人々だけが所有しうるもの,それを分配するということになれば,自分の所有する分に喜びを感ずるよりもむしろ,分けてやった分だけ少なくなって口惜(くや)しがるといったもののなかには含まれていない・・・真の幸福は万人が同時にそっくりそのまま互いに人を羨(うらや)む必要もなく所有しうるもの,何人(なんぴと)も自分の意思に反して失うことはありえないものである(パスカル)」(『文読む月日(中)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
○自分がすでに十分に幸せであること(自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さ)に気づくことさえできれば,人間は誰でも幸せになることができます。幸せになるために,財産や地位や権力や名声などを手に入れる必要など全くありません。むしろ,それらに執着すればするほど,幸せになることは難しくなってしまうのではないでしょうか。また,心の持ち方次第で誰でも幸せになれるのですから,幸せになるために他者と競い合ったり,足を引っ張り合ったり,蹴落とし合ったりする必要など全くありません。もちろん,自分から手放さない限り(心の目を曇らせ,自分がすでに十分に幸せであることに気づけなくなってしまうなどして),私たちの幸せを奪うことは誰にもできません。(2020年10月4日)(1)(4)(6)(7)関連