「平凡無事な生活を無気力というなかれ。・・・むしろ,謙虚にして充実しているとさえ言えるものだ。(今日出海)」(『教養が滲み出る 極上の名言1300』,斎藤茂太監修,日本文芸社)
○他者が羨むような社会的成功を収めることが,幸せな人生を約束するとは思えませんし,実り多い人生を約束するとも思えません。むしろ,普通の平凡な人生に幸せを感じられるようになり,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになることこそが,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送るための条件なのであり,自分の可能性を十分に花開かせるべく,自分なりの目標や理想に向かって自分の歩幅で一歩ずつ前進し続けることや,人間は独りでは生きていけないという認識の下,他者と仲良く助け合い,幸せを分かち合って生きることこそが,真に人間らしく実り多い人生を送るための条件と言えるのではないでしょうか。社会的な成功に執着すれば,どうしても普通の平凡な人生では飽き足りなくなってしまいますし,自分なりの目標や理想を犠牲にするようになってしまったり,他者を競争相手(敵)と見なすようになってしまったりしかねません。実り多い幸せな人生を送りたいと願うのであれば,社会的な成功に執着することの弊害について,十分に自覚的である必要があるのではないでしょうか。(2021年3月6日)(1)(4)(6)(11)(14)(18)関連