この宇宙に存在するすべての物は，もともと一つの物だったわけですから，どんなに小さな物の中にも，どんな細部にも，この宇宙を深く知るための何らかの手掛かりが隠されているはずです。だからこそ私たちは，「一を以（もっ）て万を察す（知る）」，「一を聞いて十を知る」，「一芸は道に通ずる」，「一芸に達する者は諸芸に達する」，「近きを以（もっ）て遠きを知る」などとも言うように，「個」を探究することによって「普遍」的な真理に至ることができるのではないでしょうか。自分自身を深く知るということも，この宇宙を深く知るということにつながっているはずであり，自分自身を深く知ることによって人間はどのように生きるべきかという問いの答え（人生の真理）を知ることも可能なはずです。答えは自分自身の中にあるということを信じ，自分の心（魂）の声や身体の声にしっかり耳を傾ける習慣を是非とも身に付けたいものです。
