「自分のことを祈り頼むのは，乞食の祈りだ」（『柔らかなこころ，静かな想い』，村瀬嘉代子，創元社）
○私たちは，自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思うからこそ，感謝する気持ちを忘れ，自分の人生に対して不満ばかりを募らせてしまうのではないでしょうか。しかし，私たちが今ここでこうして生きていられるということは，決して当たり前のことではありません。私たちは，大自然（人体も含め。）の恩恵によって生かされているのであり（一例を挙げれば，私たちは，太陽が地球を暖かく照らし続けてくれているからこそ生きていられるのです。），数知れぬ他者の直接的又は間接的な支えや助けがあればこそ生きていられるのです（実際，生存に欠かせない衣・食・住のどれ一つを取っても，完全に自給自足できている人間などいないはずです。）。自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思うことなく，その有り難さに常に深く思いを致し，心から感謝する習慣を身に付けるなら，私たちはきっと，自分の人生に対して不満ばかりを募らせてしまうようなことはなくなるはずです。常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送れるようになるためにも，自分が持っていないものを欲しがり，自分がそれらのものを持っていないことに不満ばかりを募らせてしまうような人間ではなく，自分が持っているものだけで満足できるような人間（自分に与えられているものの豊かさに常に自覚的であり，自分がそれらのものを持っていることに常に感謝し続けられるような人間）に，是非ともなりたいものです。（１）（２）（４）（６）（７）（11）関連
