「逆境が人間を鍛えるということは,だれもがそう思っているにちがいいありません。しかし,逆境でどう考えるか,どのように生まれかわるか,が問題なのです。」(『ことばへの旅(上)』,森本哲郎,PHP研究所)
○同じような境遇にありながら,その境遇に満足し,感謝する気持ちを忘れることなく,常に満ち足りた気持ちで機嫌よく笑顔で暮らしている人もいれば,その境遇に満足できず,感謝する気持ちを忘れ,常に不満を抱えたまま不機嫌にしかめっ面で暮らしている人もいます。このように,人間の幸不幸は,境遇によって決まるのではなく,その境遇をどのように受け止めるのか,その境遇をどのような心持ちで生きていくのかによって決まります。たとえどのような順境(恵まれた境遇)にあったとしても,幸せな人生を送れるとは限りませんし,たとえどのような逆境(恵まれない境遇)にあったとしても,不幸な人生を送るとは限りません。常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送りたいと望むのであれば,恵まれた境遇を手に入れることにではなく,どのような境遇にあっても(たとえどのような逆境にあったとしても),その境遇に満足し,心から感謝できるように自分の心の持ち方を変えることにこそ,関心を払い,力を注ぐべきなのではないでしょうか。くれぐれも,恵まれない境遇を呪ったり,嘆き悲しんだりすることなどで限りある大切な時間やエネルギーを無駄遣いしないようにしたいものです。(前書き)(5)(7)(9)(15)関連