自分が本当にやりたいと思える好きなことや,自分が本当に信じることのできる自分なりの目標や理想がいまだ漠然としている段階においては,当面の努力目標を到達可能な範囲に設定するということも,やる気を喚起し,維持していく上において有効であると思いますし,当面の必要に迫られて行動するというのが,より一般的であると思います。しかし,当面の努力目標に到達するために頑張る,あるいは,当面の必要に迫られて行動するというだけでは,その場限り,その場しのぎになってしまいやすく,困難や苦労にめげることなく長年にわたって努力し続けるということは難しいのではないでしょうか。自分が信じる目標や理想がなければ,物事に優先順位をつけることさえ難しく,限りある大切な時間やエネルギーを無駄遣いしてしまったり,自分が目指すべき方向が定まらないまま彷徨(さまよ)い続けた挙げ句,どこにも辿(たど)り着けないまま自分の一生を終えてしまったりすることにもなりかねませんので,すなわち,自分の可能性を十分に花開かせたり,他者や社会の役に立ったりすることができないまま,たった一度きりの人生に大きな悔いを残してしまうことにもなりかねませんので,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ,そこに自分が本当に信じることのできる自分なりの目標や理想を見いだすということは,やはり重要なことであると思います。もちろん,目的地を定めずに歩き回ることにも,息抜きや気晴らしとしての意味はあると思いますが。