「人の運はどんなに違うように見えても,禍と福とが互いにあざない合って,とどのつまり平等になる。(ラ・ロシュフーコー)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○誰にとっても人生はままならないものです。人生に困難や苦労は付き物であり,困難や苦労を伴わない人生などあり得ません。私たちはすぐに他者を羨んだり,妬んだりしてしまいがちですが,長い目でトータルとして見たら,特別に恵まれている人生,特別に恵まれていない人生などというものはなく,誰の人生もほとんど似たり寄ったりなのではないのではないでしょうか。そもそも,境遇や運命を自分の思い通りに変えることなど絶対にできないのですから,境遇や幸運に恵まれているように見える他者をいくら羨んだり,妬んだりしたところで,境遇や幸運に恵まれていないように感じられる自分をいくら哀れんだり,嘆き悲しんだりしたところで,いっだいどのような意味があるのでしょうか。人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることができるチャンスは,たった一度きりなのですから,自分と他者を比較することなどやめ,どのような境遇にあろうとも,どのような運命にあろうとも,たった一度きりの人生を大いに楽しみ,味わい尽くすことにこそ,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(前書き)(1)(3)(7)(8)(9)(10)(15)(18)関連