「私たちを内面的にも外面的にも守ってくれるのは，無名性である。」（『看護のための精神医学 第２版』，中井久夫・山口直彦，医学書院）
○「出る杭（くい）は打たれる」とも言うように，称賛されたり，脚光を浴びたりすることが多くなればなるほど，誹謗中傷（ひぼうちゅうしょう）されたり，罵詈雑言（ばりぞうごん）を浴びせられたりすることも多くなるのが，世の常です。心の平安を乱されることなく自分が好きなことに打ち込みたい，自分が好きなことに全力で打ち込むことによって自分の可能性を十分に花開かせるとともに多少なりとも他者や社会の役に立てるようになりたい，そして，そのことを通じて思い残すことのない充実した有益な人生を送りたい，と望むのであれば，なるべく目立たないように慎み深く控え目に生きるのが賢明なのではないでしょうか。この世の中を実際に支えているのは，表舞台で派手に脚光を浴びている有名人たちではなく，そのように舞台裏（縁の下）で人知れず地道に黙々と，しかも楽しみながら努力している無名の人たちであると思います。（11）（13）（14）関連
