「われわれは過去の出来事によって決定される存在ではなく，その出来事に対して「どのような意味を与えるか」によって，自らの生を決定している。」（『幸せになる勇気』，岸見一郎・古賀史健，ダイヤモンド社）
○私たちの土台を築いているのは，過去の経験であり，さらに言えば遺伝です。しかし，私たちは，過去の経験や遺伝の奴隷ではありません。実際，私たちは，過去を変えることはできませんが，現在や未来なら，自分の意志や努力によって変えることができます。また，過去そのものは変わりませんが，過去にあった出来事の受け止め方や解釈の仕方は，自分の心の持ち方一つで大きく変わります。私たちが人間的に成長（成熟）・向上し続けていく上において，経験から学ぶとということは，とても重要なことですが，過去の経験や遺伝の影響力を過大評価し，自分の人生を自分の意志に基づいて主体的に切り開いて行く努力を投げ出してしまうとしたら，余りにももったいないと思います。幸せな人生を送れるか否か，実り多い人生を送れるか否かは，私たちの意志や努力次第です。真に人間らしく実り多い（自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な），生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送りたいと望むのであれば，自分の人生を自分の努力によって主体的に切り開いていこうとする強い意志を，決して失わないようにすべきであると思います。（前書き）（７）（９）（11）（12）（15）関連
