どのような現在や未来の実現を目指すのか,どのような心構えや心がけで生きていくのか,それらを決めるのは私たち自身です。私たちがどのような人生を送るかは,境遇(過去の経験や遺伝や環境など)によって決まるのではなく,最終的には私たちの意志や努力によって決まるのですから,自分の人生に自分で責任を持つ覚悟や,自分の人生を自分の努力によって主体的に切り開いていこうとする強い意志がある限り,たとえどのような逆境にあろうとも,真に人間らしく実り多い(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送ることは誰にでも可能であると私は信じています。境遇の影響力を過大評価し,何事もそれらのせいにし,恵まれない境遇を呪ったり,嘆き悲しんだりするだけで自分の人生を自分の意志に基づいて主体的に切り開いていこうとする努力を投げ出してしまっている人たちは,自分の人生を実り多い幸せなものにするチャンスを,みすみす逃してしまっているのだと思います。それでは,たった一度きりの人生が余りにももったいなさ過ぎます。