「自分がコントロールできることと，できないことを区別し，コントロールできないものについては悩まず，コントロールできるものだけに集中する。」，「世の中には私たちがコントロールできることもあれば，できないこともあり，分別のある人間はコントロールできることだけにエネルギーを注ぐ」（『良き人生について』，ウィリアム・B・アーヴァイン，竹内和世訳，白揚社）
○過去の経験や遺伝や環境が私たちに与える影響は小さくありませんが，それらによって私たちの人生がすべて決定されてしまうわけではありません。私たちは過去の経験や遺伝や環境の奴隷ではありません。実際，過去を変えることはできませんが，現在や未来なら，自分の意志や努力で変えることが可能です。環境を自分の思い通りに変えることはできませんが，自分の考え方や生き方や心の持ち方を変えることは，自分の意志や努力次第です。恵まれない境遇や不運を，いくら呪ったところで，いくら嘆き悲しんだところで，何も変わりません（むしろ，呪えば呪うほど，嘆き悲しめば嘆き悲しむほど，不平不満，妬みそねみ，恨みつらみ，失意失望，自暴自棄といった不幸な心理状態から抜け出すことが，ますます難しくなってしまいます。）。そんなことをしている暇があるのなら，現在や未来をより善い方向に変えることにこそ，自分の考え方や生き方や心の持ち方をより健全なものに変えることにこそ，限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。自分の人生を境遇任せ，運命任せにすることなく，自分の人生を自分の努力によって主体的に切り開いていこうとする強い意志がある限り，実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であると私は信じています。（前書き）（３）（５）（７）（９）（10）（15）関連
