実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(14)Ⅻ 自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けることなどにこそ,力を尽くしたい。

 「負けるが勝ち」,「負けて勝つ」,「逃げるが勝ち」,「三十六計逃げるに如(し)かず」,「損して得取れ」,あるいは,「人は見かけによらぬもの」,「大賢は大愚に似たり」,「人の噂(うわさ)も七十五日」,「和して同ぜず」などとも言いますが,他者との勝負や他者からの評価など,どうでもいいことです。もちろん,生きていくためには世の中に適応する必要がありますし,私たちが自分が好きなことに打ち込み,自分の可能性を十分に花開かせることができるのも,分業という協力体制の下で,その他のことを他者が分担し,負担してくれているお陰なのですから,世の中に対する関心を失ったり,他者に対する感謝の気持ちを忘れたりしてはいけませんし,困っている人や苦しんでいる人に対する手助けは積極的に行うべきであると思います。また,慢心したり,独善に陥ったりすることなく,自分を人間的に成長・向上させ続けるためにも,自分の内外に対して常に心を開き,自分の内なる声(「考え(頭で考える思考)」というよりは「感じ(自分の身体や心(魂)が感じる漠然とした気持ち)」)とともに他者の言葉(特に耳が痛いと感じられる言葉)に謙虚に耳を傾ける姿勢を保ち続けることは大切なことであると思います。しかし,他者との勝負や他者からの評価を気にする余り,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ損なってしまったり,諦めてしまったり,自分が進むべき道(自分が信じることのできる自分なりの目標や理想)を見失ってしまったり,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を前進し続けることを先延ばし(後回し)にしてしまったり,自分の信念を捻(ね)じ曲げてしまったり,本当の自分を見失ってしまったりしたとしたら,たとえ社会的な成功を収めることができたとしても,自分が生きている意味や,自分がこの世の中に生まれてきた意味が分からなくなってしまい,人生に大きな悔いを残すことになるに違いありません。人生は短く,しかも,私たちがこの世の中において生きることができるチャンスは,たった一度きりなのですから,他者との勝負や他者からの評価などに気を散らすことなく,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけることや,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を前進し続けることや,自分の信念や自分が本当に納得することのできる生き方(自分に恥じることのない生き方)を貫き通すことなどにこそ,気持ちを集中し,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。そのような生き方ができるなら,私たちは,謙虚さを保ちつつも,そのような自分に対して揺るぎない自信や誇りを持ち続けることができるのではないでしょうか。そして,自分に対して揺るぎない自信や誇りを持ち続けることができるなら,他者との勝ち負けにこだわったり,他者からの評価を過度に気にしたりするようなことも,自然になくなるのではないでしょうか。