人生に掲げる目標や理想は,人生の指針を明確化し,自分が進むべき道を明らかにするためのものなのですから,到達・実現不可能なものであっても一向に構いません。むしろ,簡単に到達・実現できてしまうようなものでは人生の指針にはなり得ませんし,簡単ではないにしても,努力次第で到達・実現できてしまうようなものでは,人生の途中で自分が進むべき道を見失ってしまうことにもなりかねませんので,一生かかっても到達・実現できないものの方が望ましいとさえ言えます。できる限り大きな目標や高い理想を掲げることは,翻って自分の無知さや未熟さを自覚することにもつながりますので,何歳になっても慢心することなく,謙虚に学び,努力する姿勢や素直に反省する態度などを保ち続ける上においても重要なのではないでしょうか。「少年よ大志を抱け」とも言うように,人生に掲げる目標や理想は,大きければ大きいほど,高ければ高いほど望ましいと思います。当然のことながら,人生に掲げる目標や理想は到達・実現を目的とするものではないのですから,たとえ何歳になろうとも,目標や理想を掲げるのに遅すぎるということはありません。