「わが魂よ,不死を求むることなかれ,ただ可能の限界を汲みつくせ。(ピンダロス)」(『古代ギリシャの言葉』,ジャック・ラカリエール編,中居久夫訳,紀伊國屋書店」)
○人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることができるチャンスは,たった一度きりです。せっかく,この世の中に生まれてくることができたのですから,常に自分の可能性に挑戦しながら,人生を大いに楽しみ,味わい尽くしたいものです。そして,そのためにも,私たちは,人生はたった一度きりであるということや,人間の命は儚(はかな)く人生は短いということや,この世の中は無常であるということなどを念頭に置きながら生活する必要があるのではないでしょうか。今日この日を,今この瞬間を決して疎(おろそ)かにすることなく,一日一日を,一瞬一瞬を掛け替えのないものとして大切にしながら,常に心を込めて全力で今を生き,今を楽しみ,細部に至るまで丁寧に今を味わい尽くすような人生を送ることができたなら,私たちは,この世の中が無常であるという事実や,いつか訪れる死をも,ある程度は泰然自若と受け止められるようになるのではないでしょうか。(前書き)(2)(8)(10)(11)(14)関連