○生きているということは,よくよく考えてみれば一つの奇跡であり,それだけでも十分に値打ちのあることです。人間は生きているだけで十分に価値があるのであり,生きている人間の間に存在価値の差などありません。しかし,真に人間らしく実り多い人生を送りたいと願うのであれば,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるべく,そして,そのことを通じて多少なりとも他者や社会の役に立つべく,より善い,より人間らしい生き方を目指して,あるいは,自分なりの目標や理想に向かって,死ぬ瞬間まで自分を成長・向上させ続けるような生き方をする必要があるのではないでしょうか。そのように生きることができたなら,たとえ自分が信じる目標や理想に到達することができなかったとしても,人生に大きな悔いを残すことはなく,いつか訪れる死をも安らかな気持ちで迎え入れることができるのではないでしょうか。人生は,すなわち,この世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりなのですから,大きな悔いを残すような生き方,人生を台無しにしてしまうような生き方だけは,くれぐれもしないように心がけたいものです。(1)(11)(14)関連