「おじさま(原田甲斐)ははれがましいことや,際立つようなことがお嫌いだった」(『樅ノ木は残った』(『決定版 山本周五郎全集』所収),近代日本文学電子叢書)
○人間には,長所と短所,美点と欠点,強みと弱み,肯定的な側面と否定的な側面の両面が備わっているのですから,褒められるだけなどということは絶対にあり得ません。「出る杭(くい)は打たれる」とも言うように,褒められたり,脚光を浴びたりすることが多くなればなるほど,貶(けな)されたり,足を引っ張られたりすることも多くなるのが世の常です。心の平安を乱されることなく,自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けたい(そのことを通じて,自分の可能性を十分に花開かせるとともに,他者や社会の役にも立ち,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたい)と願うのであれば,なるべく目立たないように慎み深く控えめに生きるのが賢明なのかも知れません。(2021年7月30日)(11)(14)関連