「運命というものは,不意討ちをくらえば,過酷なものとなりますが,いつも警戒していれば,容易にしのげるものです。」(『人生の短さについて他2篇』,セネカ,中澤務訳,光文社)
○私たちは,人生を自分の思い通りにしたいと欲張るからこそ,必ずしも自分の思い通りにはならない人生に不平不満ばかりを募らせる結果になってしまうのではないでしょうか。欲張ることをやめ,人生はままならないものであるという事実をあるがままに受け入れることさえできれば,人生に不平不満を抱くことはなくなるのではないでしょうか。人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物ですが,欲望によって心の目を曇らせさえしなければ(欲に目を暗ませさえしなければ),困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを人生に見いだすことが可能なはずです。常に満ち足りた気持ちで,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るためにも,必要以上に欲張ることのなく,自分の欲望に意識的にブレーキを掛けることによって心の目を曇らせないようにする必要があると思います。(2021年7月28日)(1)(4)(6)関連