「自分の思うように人生が運ぶひとなど,きっとひとりもいない。/ならば,自分がどうにかできる,手の届く範囲のことに対しては,できるだけのことをしたほうがいいじゃないか。」(『幸福論 「しくじり」の哲学』,中田敦彦,徳間書店)
○人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物です。しかし,心の目を曇らせない限り,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを人生に見いだすことも可能です(そもそも,困難や苦労があるからこそ,生きている実感や手応えも得られるのでしょうし,それらを乗り越えることでこそ,達成感や充実感といったものも味わえるのではないでしょうか。)。人生を自分の思い通りにしようとし,その挙げ句,自分の思い通りにならない人生に不平不満ばかりを募らせしまうような生き方ではなく,人生はままならないものであるという事実をあるがままに受け入れた上で,それでも自分がやるべきことや自分にできることには最善を尽くしつつ,人生に隠されている(埋もれている)無限とも言える生きる喜びや幸せを見つけ出し,味わい楽しむような生き方こそが,賢明な生き方と言えるのではないでしょうか。人生を自分の思い通りにしようなどと欲張り続ける限り,人生は常に期待を裏切られては失望するだけのものになってしまいかねません。(2021年6月11日)(1)(4)(6)(7)(15)関連