「賢者は,順境に有頂天になることも,逆境に意気消沈することもありません。なぜなら,賢者は,できるかぎり自分自身に頼り,すべての喜びを自分の中から引き出せるように,つねに努力をしているからです。」(『人生の短さについて他2篇』,セネカ,中澤務訳,光文社)
○人間の幸不幸は心の持ち方(心構えや心がけ)次第です。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し,心から感謝する習慣を身に付けるなどして,幸せに対する感度を高め,磨き続けることができるなら,私たちは普通の平凡な人生にさえ,生きる喜びや幸せを無限に見いだすことができるのではないでしょうか。さらに言えば,どのような逆境にあろうとも,どのような困難や苦労に見舞われようとも,ただ生きているというだけの理由で,幸せであり続けることが可能なのではないでしょうか。境遇が私たちに与える影響は決して小さくありませんが,人間の幸不幸を決めるのは,最終的には境遇ではなく,心の持ち方(自分の人生をどのような心構えや心がけ心がけで生きるか)です。境遇を変えることにではなく,自分の心の持ち方を変えることにこそ,関心を払い,力を注ぎたいものです。(2021年7月27日)(前書き)(7)(9)(15)関連