「自分自身の人格以外のものを変えることで幸福を求める愚かな人は,実を結ばない労力に人生を浪費し,避けようとしている悲しみを倍増させるに違いない(サミュエル・ジョンソン)」(『7つの習慣』,スティーブン・R・コヴィー,ジェームス・スキナー&川西茂訳,キングベアー出版)
○私たちは,自分は不幸であると思い込みやすく,不幸の原因や責任を他者や運命に求めがちですが,他者や運命を自分の思い通りにすることなど絶対にできないのですから,そのような他罰的(他責的)な考え方を改めない限り,状況が好転することは望めません。むしろ,他者を恨んだり,不運を嘆き悲しんだりすればするほど,物事を被害的に受け止める傾向は強まり,自分は不幸であるという思い込みから抜け出せなくなってしまいます。しかし,私たちは本来,生きているだけですでに十分に幸せなのであり,そのことに気づき,忘れさえしなければ,人が羨むような社会的成功を収めなくても,特別な才能などなくても,誰でも幸せになれるのではないでしょうか。人間の幸不幸は,要は心の持ち方次第です。恨み言や泣き言を言っている暇があるなら,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに気づき,感謝する気持ちを忘れないでいられるように,自分の心の持ち方を改めることにこそ大切な時間やエネルギーを使いたいものです。生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら,どのような逆境にあろうとも,どのような困難や苦労に見舞われようとも,自分は不幸であると思い込んでしまうようなこともなくなるのではないでしょうか。(2021年2月10日)(前書き)(1)(3)(4)(7)(9)(15)関連