「犬や猫でも,いったん美味しい物を与えてしまうと,もうそれまでの物を食べなくなるという。」(「幸福とのお付き合い」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),赤瀬川原平,文藝春秋)
◯人間はどのような恵まれた状況にもすぐに慣れてしまい,それを当たり前と思い,感謝する気持ちを忘れてしまいがちです。そして,より恵まれた状況を常に夢見ては,現状に対する不平不満を募らせるばかりで,いま自分の目の前にある幸せに気づくことさえ難しくなってしまいがちです。しかし,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送るためには,いま自分の目の前にある幸せに気づけるということこそが何よりも重要です。不平不満によって心の目を曇らせないためにも,自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思うことなく,その有り難さに常に思いを致し,感謝する気持ちを忘れないようにしたいものです。(2020年9月2日)(4)(6)(7)関連