「真に善(よ)きものは常に素朴である。素朴であることは実に魅力的で,かつ有利なのに,素朴な人がかくも少ないのは驚くべきことである。」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯幸せであるか否かは,要するに幸せを感じ取る感度の問題ですが,幸せを感じ取る感度を常に高い状態に維持するためにも,贅沢な生活はなるべく避け,欲望の肥大化を自制すべく,できるだけ質素な生活を心がけることが望ましいと思います。質素な生活は,他者から強制された場合には,ただの貧しく惨めな生活かもしれませんが,自分の自由意思で選択した場合には,心豊かで魅力的な生活になり得るのではないでしょうか。できるだけ質素な生活を心がけ,幸せを感じ取る感度を磨き続けることによって,人生に隠されている幸せを少しでも多く感じ取れるように,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じ,感謝できるようになりたいものです。(2020年6月18日)(4)(6)(7)関連