「いかなる逆境にあっても屈托なしに平然としている人もあれば，羨（うらや）ましい順境にありながら，細かなことにこだわって，渋面（じゅうめん）で暮らす人もいる。要するに，この世は気持ち次第でどうにでも生きていけるのである。」（「徒労の情熱」（『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは？』所収），森本哲郎，文藝春秋）
◯同じような境遇に置かれながらも，自分は幸せであると感じながら生きている人もいれば，自分は不幸であると感じながら生きている人もいます。このことからも分かるように，人間の幸不幸は，生まれ育った境遇や，現在本人が置かれている境遇によって決まるものではなく，本人の心の持ちよう次第で決まるものなのだと思います。どのような境遇に置かれようが，自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さや他者に対する感謝の気持ちを忘れることなく，常に自足し，生きていることそれ自体に幸せを感じられるような心持ちを養うことこそが大切なのではないでしょうか。（２０２０年４月９日）
