「不平,不満は,あなたがよりうまくものごとをこなしたり,人があなたをもっと公平に扱ったり,悪い環境を変えることには一切役立ちません。」(『現実は厳しい でも幸せにはなれる』,アルバートエリス,齊藤勇訳,文響社)
◯人間の欲望は,放っておけば際限なく肥大化する傾向があり,欲望の肥大化に意識的に歯止めをかけない限り,不平不満ばかりを募らせる結果になってしまいがちです。そして,物事が自分の思い通りにならない原因や責任を他者や境遇(運命)のせいにしては被害的になり,他者を責めててたり,境遇を嘆いたりするようになってしまいがちです。しかし,いくら他者を責め立てようが,いくら境遇を嘆こうが,他者や境遇を自分の思い通りに変えることなどできるはずもなく,結局は,不平不満や被害感をますます募らせるという悪循環に陥ってしまうことになります。このような状況に陥らないようにするためには,不平不満を募らせないことが重要であり,そのためにも,人生はままならないものであるという事実を正しく認識した上で,小欲知足の生き方を心がけ,欲望の肥大化を自分の意志で自制できるようになることが重要なのではないでしょうか。(2020年4月8日)