「強い精神にとっては,悪い環境も,やはり在るが儘(まま)の環境であって,そこに何一つ欠けている処も,不足しているものもありはしない。」(「モオツァルト」(『小林秀雄全作品 15』所収),新潮社)
◯強い意志を持って主体的に生きる人間は,どのような環境・境遇に置かれようが,実り多い幸せな人生を送ることが可能である。私たちは環境や境遇の奴隷ではないのである。自分は不幸であり,その原因は環境や境遇にあると錯覚している人間は,人生を自分の力で切り開いていく責任を放棄するとともに,自分が幸せになる可能性を自分自身で閉ざしてしまっているのである。実り多い幸せな人生を送りたいと本気で望むのであれば,環境や境遇の言い成りになるのではなく,強い意志を持って主体的に人生を切り開いていくべきである。(2020年3月11日)