「われわれをより善良に,より幸福にすることのできるすべてのものを,神はわれわれの目の前あるいはわれわれの近くに置きたもうたのである。(セネカ)」(『文読む月日(下)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯私たち人間には幸せであるための条件がすべて備わっているのであり,そのことに気づくことさえできれば,誰でも幸せになれるのである。また,その幸せが数知れぬ他者の支援によってこそ成り立っていることを正しく認識しさえすれば,誰もが他者と融和し,自らの幸せを他者と分かち合おうとするに違いないのである。大切なのは,曇りのない眼で,あるがままの現実を直視することである。(2019年12月24日)