「何人(なんぴと)をも蔑(さげす)むな。隣人に対する悪念や猜疑(さいぎ)の念を絶て。他人の行ないや言葉を常に善意に解せよ。(『賢者の思想』より)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯誰の心の中にも(私たちの心の中にも),悪人と善人が同居している。私たちが他者の心の中の悪人にしか目を向けなければ,その他者は私たちの目の前に悪人として立ち現れざるを得ないし,私たちが他者の心の中の善人に目を向ければ,その他者は善人として私たちの前に立ち現れてくることが可能になる。他者と融和し,幸せを分かち合うような友好的な関係を築き,維持するためには,他者の心の中に住む善人にこそ積極的に目を向ける必要があるのではないだろうか。(2020年1月13日)