「総じて,普通の人間性の特徴の中で,ねたみが最も不幸なものである。ねたみ深い人は,他人に災いを与えたいと思い,罰を受けずにそうできるときには必ずそうするだけでなく,ねたみによって,われとわが身をも不幸にしている。・・・人間の幸福を増やしたいと思う人はだれでも,賛美の念を増やし,ねたみを減らしたいと願わなければならない。」(『ラッセル 幸福論』,安藤貞雄訳,岩波書店)
◯自分は不幸であると思い込んでいる人は,被害感を募らせるがままに他人を妬み,恨み,他人に害を与えがちであるが,他人を妬み,恨み,他人に害を与えることによって,その人はますます不幸になっていく。これが犯罪者や非行少年に見られる典型的な悪循環である。この悪循環から逃れるためには,自分は不幸であるとの思い込みから何とかして抜け出し,他人の幸せを願い,喜べるようになる必要がある。(2019年7月21日)