「社会から恩恵を受けることを当然の権利だと考えるのは大きな害悪である。そういう姿勢には感謝の心が完全に欠落している。(アダム・スミス)」(『感謝の習慣』,スコット・アラン,弓場隆訳,ディスカヴァー・トゥエンティワン)
○現在の日本のような豊かで安全で便利な社会で暮らしているとついつい忘れてしまいがちですが,人間は独りでは生きていられません。実際,生存に欠かせない衣・食・住のどれ一つを取っても,完全に自給自足できている人などいないはずです。私たちは,分業という協力体制の下で互いに支え合い,助け合っているからこそ生きていられるのであり,このような豊かで安全で便利な社会で暮らすことができているのです。この事実を心に深く刻み付け,自分自身に対する誇りとともに他者や社会に対する感謝の気持ちを決して忘れないようにしたいものです。他者や社会に対して不満を数え上げようと思えばいくらでも数え上げることができますが,同様に,感謝すべきことも,数え上げようと思えばいくらでも数え上げることができます。他者や社会に対する感謝の気持ちを忘れ,孤立無援の状況に陥ってしまわないようにするためにも,不満ばかりを数え上げる悪癖を改め,感謝すべきことを数え上げる習慣をこそ,是非とも身に付けたいものです。(2)(9)(11)(14)関連