「「知る」ということが,自分が賢くなって,賢い人生を生きるために知ることでなければ,知るなんてことに,いったい何の意味があるだろう。」(『14歳の君へ』,池田晶子,毎日新聞出版)
○知識は,頭に詰め込むだけでは(あるいは,クラウド上に溜(た)め込むだけでは)意味がありません。知識は,自分の心(魂)の声や身体の声にも耳を傾けつつ自分の頭で徹底的に考えることによって咀嚼(そしゃく)・消化・血肉化され,実生活において生かされるようになってこそ(自分の心の持ち方や考え方や生き方などを変えるための原動力になってこそ)意味があります。世の中には雑多な知識が氾濫していますが,それらを手当たり次第に単なる知識として頭に詰め込むのではなく,それらの中から自分が実り多い幸せな人生を送る上において本当に必要な知識を見極め,取捨選択し,「生活の知恵」としてしっかり身に付けることをこそ心掛けたいものです。読書に際しても,読書を通じて学んだ知識を「生活の知恵」としてしっかり身に付け,実生活において生かせるようにするためにも,効率重視の速読ではなく,熟読・精読をこそ心掛け,読書の途中で立ち止まってじっくり考えたり,じっくり味わったりする時間を大切にしたいものです。(12)関連