「「生きていてくれさえすればいい 」というのが,親が子どもに対するときのもっとも根源的な構えだということを,日本人はもう一度思い出した方がいいのではないか。」(『こんな日本でよかったね』,内田樹,文藝春秋)
○人体の免疫機能一つを取っても分かるように,生きているということは一つの奇跡です。心から感謝すべき有り難いことです。私たちは,生きているというだけで十分に価値があり,また,生きているというだけで十分に幸せなのではないでしょうか。「命は宝の宝」,「命に過ぎたる宝なし」などとも言います。大人は子供たちが生きていることそれ自体を心から喜び,その存在価値を掛け替えのないものとして認めてあげればよいのであって,自分たちの偏狭な価値観に従って子供たちに優劣をつけたり(優劣を競わせたり),順位をつけたり(順位を競わせたり)するようなことはやめるべきなのではないでしょうか。また,他者と競い合って社会的な成功を収めなければ(財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ)幸せになれないなどといったデマを吹き込んで子供たちを惑わしたり(不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に子供たちを追い込んだり),子供たちが幸せな人生を送ること(子供たちが生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになること)の邪魔をしたりするようなこともやめるべきなのではないでしょうか。(1)(10)(12)(14)(20)(21)関連