「私たちは自分が幸福の中にいたことを，ずっと時間が経ってから気づくことがあります。そのときは当たり前のように送っていた日々が幸せだったことを，それが遠く過ぎ去ってからしみじみと思うのです。」（『もういちど読む山川倫理 PLUS 人生の風景編』，小寺聡編，山川出版社）
○幸せとは要するに，自分が幸せであることに気付くということです。自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思うことなく，その有り難さ（幸せ）に気付き，心から感謝できるようになるなら，私たちは今すぐにでも幸せになれるのではないでしょうか。そして，その感謝する気持ちを忘れさえしなければ（人間は往々にして感謝する気持ちを忘れてしまいがちですが。），私たちはいつまでも幸せであり続けることができるのではないでしょうか。人体の免疫機能一つを取っても分かるように，生きているということは一つの奇跡です。心から感謝すべき有り難いことであり，決して当たり前のことではありません。このことを肝に銘じ，感謝する気持ちを忘れることなく，生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら（「生きてるだけで丸儲（まるもう）け」（さんま）と心の底から思えるようになるなら），私たちは，たとえどのような逆境にあったとしても，たとえどのような不運に見舞われたとしても，生きている限りは幸せになり，幸せであり続けることが可能になるはずです。（１）（２）（４）（６）（７）関連
