「質素な生活の中にも，感覚をとぎすまし，心に余裕があれば，豊かさと深い満足に出会うことができます。」（『もういちど読む山川倫理 PLUS 人生の風景編』，小寺聡編，山川出版社）
○人生はままならない（自分の思い通りにならない）ものであり，人生に困難や苦労は付き物です。しかし，心の目を曇らせることなく，幸せに対する感度を高めることさえできるなら，私たちは困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを自分の人生に見いだすことができます。また，質素な暮らしは，他者に強制されるなら，ただの「貧しくて不本意な暮らし」かも知れませんが，足るを知る人間が自分の意志で選択するなら，かえって「心豊かで満ち足りた暮らし（シンプル・ライフ）」になり得ます。人生に付き物の困難や苦労にめげることなく，生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるようになるためにも，また，たとえどれだけ質素な暮らしをしていたとしても，常に満ち足りた気持ちで心豊かに暮らせるようなるためにも，肥大化した欲望（必要以上に欲張る気持ち）などによって心の目を曇らせてしまわないように用心するとともに，自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し，心から感謝する習慣を身に付けるなどして幸せに対する感度を高めるための努力を怠らないようにしたいものです。（１）（４）（６）関連
