「動物は単独でいるよりも群れでいるほうがはるかに生き延びることができるのであり,このことはダーウィンも気づいていた,とアドラーは指摘している。」(『アドラー 人生を生き抜く心理学』,岸見一郎,NHK出版)
○私たちは独りでは生きていられません。私たちは,他者と支え合い,助け合ってこそ生きていられるのです。その意味で,私たちと他者は一体なのですから(私たちと他者は持ちつ持たれつの相互依存関係にあるのですから),他者を競争相手(敵)と見なして足を引っ張り合ったり,パイを奪い合ったりするような「弱肉強食(優勝劣敗)」的な生き方ではなく,他者を協力相手(味方・仲間)と見なして仲良く助け合ったり,生きる喜びや幸せを分かち合ったりするような「共存共栄」的な生き方こそが,人間にとって自然な生き方と言えるのではないでしょうか。前者の生き方は,あたかも同じ人間の右手と左手が(あるいは,右足と左足が,あるいは,右目と左目が,あるいは,上の歯と下の歯が)争っているような生き方であり,百害あって一利なしです。「生存競争」,「適者生存」などといった偏った考えに毒されることなく,仲良く手助けし合ながら生きていきたいものです。(11)(20)関連