「この世の中で隠されているものはなにもありません。誰の前にも，なにひとつしまわれているものはありません。」（『道元禅師 中巻』，立松和平，新潮社）
○人生の真理は何一つ隠されることなく，諺（ことわざ）や格言や名言といった簡単明瞭（単純明快）な形で，いつでも私たちの目の前に開示されているのではないでしょうか。私たちは，心の目の曇りゆえに，それらの真意（深意）を理解したり，それらの重要性に気付いたりできないだけなのではないでしょうか。人生の真理を体得・実践し，真に人間らしく実り多い（自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な），生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるようになるためにも，真理を真理であると（あるいは，デマをデマであると）見抜き，見分けられるだけの眼力（見識）を，学問など（自分の経験から学ぶことや読書なども含め。）を通じて人生のできる限り早い時期に身に付けたいものです。肥大化した欲望（必要以上に欲張る気持ち）やデマに基づく迷信（他者と競い合って社会的な成功を収め，財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれない，あるいは，生き残れないなどといったデマに基づく間違った思い込み）や拝金主義などの偏ったものの見方・考え方などによって心の目を曇らせてしまわないよう，くれぐれも用心したいものです。（後書き）関連
