「節度ある豊かな社会の構想は,政治権力の掌握によってではなく,精神の革命によって実現される。」,「我々は,経済的価値が中心的な価値ではなくなった社会,すなわち経済が人間の生活の単なる手段として位置づけられ,究極の目的ではなくなる社会,常に多くの消費へと向かうこの狂った道を手放す社会を欲しなければならない(コルネリュウス・カストリアディス)」(『脱成長』,セルジュ・ラトゥーシュ,中野佳裕訳,白水社)
○社会を自分の思い通りに変えることなど絶対にできません。社会を変えたいと思うなら,非常に遠回りのように感じられるかもしれませんが,その一構成員である自分が変わることこそが重要です。なぜなら,私たちにできることは,それしかないのですから。そして,自分(自分の心の持ち方や考え方や生き方など)を変えることなら,自分の意志や努力次第で十分に可能なのですから。社会の構成員である私たちが(構成員の大半が)変わっていけば,社会も変わっていく可能性があります。社会に対する不平不満を並べている暇があるなら,私たちがより善く,より人間らしく生きられる社会(例えば,経済的な豊かさではなく,心の豊かさをこそ大切にするような社会)の実現を目指して自分を変えることにこそ,気持ちを集中し,力を注ぎたいものです。(前書き)(11)(15)(21)関連