「不幸な人の共通の過ちは,わが身に幸いすることを,決して信じたがらないことである。(セネカ)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○自分は不幸であると思い込んでいる人間は,自分が不幸であることの原因や責任を境遇や運命に求めがちですが,たとえどのような逆境にあったとしても,たとえどのような不運に見舞われたとしても,自分は幸せであると心の底から思えるなら,他者の目にどのように映ろうともその人は確かに幸せなのですから,人間の幸不幸は,要するに本人の心の持ち方次第ということになります。しかし,自分は不幸であると思い込んでいる人間は,人間の幸不幸は心の持ち方次第であるということを決して受け入れようとせず,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれない(財産や地位や権力や名声などを手に入れれば幸せになれる)などといったデマを鵜呑(うの)みにし,そのようなデマに固執してしまいがちです。そのようなデマに固執しているからこそ,結局は,自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまうわけですが,その道理をなかなか理解することができません。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになるなら,財産や地位や権力や名声などを手に入れなくても,私たちは今すぐにでも幸せになることができます。自分がすでに十分に幸せであることに(自分は決して不幸ではないことに),気づけるようになります。財産や地位や権力や名声などを手に入れることにではなく,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになることにこそ,関心を払い,力を注げるようになりたいものです。(1)(2)(3)(7)(10)関連