「不幸の大半はまちがった世界観,まちがった倫理,まちがった生活習慣によってもたらされたもので,まちがった世界観や倫理や生活習慣は正すことができるのだ(ラッセル)」(『幸福とは何か』,長谷川宏,中央公論新社)
○私たちは本来,生きているというだけですでに十分に幸せなのに,そのことに気づくことができず,人が羨むような社会的な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せにはなれないなどと勘違いしてしまっているせいで,なかなか幸せになれないのではないでしょうか。財産や地位や権力や名声などに執着すればするほど,自分がすでに十分に幸せであることに気づくことは難しくなり,むしろ,それらが手に入らないことでの不平不満ばかりを募らせた挙げ句,自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまうものです。私たちが幸せになるために必要なことは,財産や地位や権力や名声などを手に入れることではなく,それらを手に入れなければ幸せにはなれないなどという迷信から早く目を覚まし,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに気づき,心から感謝できるようになることなのではないでしょうか。(2021年7月2日)(1)(4)(6)(7)(10)関連