「幸福は簡単に手に入るものではないが,どんな境遇のどんな人にとっても求めて得られないものではない」(『幸福とは何か』,長谷川宏,中央公論新社)
○生きているということは一つの奇跡であり,その有り難さに気づくことさえできれば(その気づきに伴う感動や感謝の気持ちを忘れさえしなければ),私たちは誰もが幸せになれるのではないでしょうか。そして,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら,私たちはどのような逆境にあろうとも,どのような不運に見舞われようとも,幸せであり続けることが可能になるのではないでしょうか。生まれ付き不幸な人間などいませんし,このような境遇に生まれ育てば,あるいは,このような境遇に身を置けば必ず不幸になるというような境遇などありません(人間の幸不幸が境遇によって決まってしまうとしたら,境遇に恵まれない人間は一生不幸のままということになってしまいます。)。生きていることそれ自体に幸せを感じられるように自分の心の持ち方を変えることは,「言うは易(やす)く行うは難し」であるかも知れませんが,境遇を自分の思い通りに変えることなどに比べれば,はるかに容易(現実的)であり,実現可能性の高いことです。時間は掛かるかも知れませんが,自分が今ここで生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し,心から感謝する習慣を身に付けるなどして,いつかは生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになりたいものです。(2021年7月1日)(前書き)(1)(6)(7)(9)関連