「人間の神秘性は,人間が宇宙の秩序の一歯車,大協奏曲の一和音でありながら,同時に自由であることに存する。(オクタビオ・パス)」(『人類知抄 百家言』,中村雄二郎,朝日新聞社)
○私たちは,この宇宙を構成している一部分(一構成要素)なのであり,この宇宙と無関係に生きていくことなど絶対にできません。私たちとこの宇宙は切っても切れない深い関係にあり(さらに言えば,私たちとこの宇宙は一体であり),私たちは常にこの宇宙(この宇宙に存在しているすべての物)の影響下にあると言えます。しかし,私たちは,この宇宙から影響を受けるだけの受動的な存在ではなく,自分の意志に基づいて能動的に行動することもできますし,私たちもこの宇宙に少なからず影響を与えています。だからと言って,もちろん,私たちが自由にできること(自分の思い通りにできること)などごく限られているわけですが,自分の人生の主人公はあくまでも自分なのですから,自分の人生の主導権(自分の人生を自分の意志や努力に基づいて主体的かつ能動的に切り開いていこうとする権利や,自分の人生をどのような心構えや心がけで生きていくかを自分で決める権利など)だけは,決して手放さないようにしたいものです。(前書き)(11)(15)関連