「彼(友人)がもっぱら彼自身によくしているときこそ,彼はもっとも私によくしているのである。(モンテーニュ)」(『人類知抄 百家言』,中村雄二郎,朝日新聞社)
○私たちと他者は,互いに支え合い,助け合ってこそ生きていられるのであり,すなわち,持ちつ持たれつの相互依存関係にあるのであり,その意味で,私たちと他者は一体と言えます。したがって,他者を大切にし,他者を益する行動は,回り回っていつかは必ず自分を大切にし,自分を益することにつながってきますし(「情けは人の為(ため)ならず」),自分を大切にし,自分を益する行動は,回り回っていつかは必ず他者を大切にし,他者を益することにつながっていきます。実際,自分を大切にできない人間が(例えば,すぐに自暴自棄になってしまうような人間が),他者を大切にできるとは思えませんし,自分を大切にし,正しい道を歩み続けながら,より善い,より人間らしい生き方を目指して自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続ければこそ,多少なりとも他者や社会の役に立つこともできるのではないでしょうか。他者と仲良く支え合い,助け合いながら生きていけるようになるためにも(生きていくためには,それ以外の選択肢はないと思いますが。),まずは,自分を本当の意味で大切にできるようになりたいものです。(3)(10)(11)(16)(19)関連